30代で実家ぐらし、仕事が続かない男の日々

1985年生まれの32歳。働くことが苦痛すぎて耐えられず、無職と短時間労働をくり返す男の日々を綴っていきます。現在は週2でポスティングをやっています。

働けないんだから仕方ない

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(新宿・靖国通り)

 

僕の住む街、新所沢は静かで過ごしやすい。だが繁華街好きには退屈だ。だから僕は週に3度も4度も都内に出て遊んでいる。買い物も飲食もせず、ひたすら歩くだけだから、交通費さえあればいい。

 

ところが、今月は物入りで、もはやそれさえできなくなった。手元に5000円ぐらいしか残っていない。これで次の給料日まで過ごさねばならない。約1ヶ月後だ。実家暮らしだから、外食やお菓子の購入などを控え、移動手段を徒歩と自転車に限れば乗り越えられる。でもそれでは飽きてしまう。

 

近所だけで暮らしていると、気持ちが沈む。さりとてお金はかけられない。どうしたらいいのか。

 

僕には活動的な時期とひきこもりがちな時期が交互に来る。今年でいえば、1月から3月が活発、4月から8月がひきこもり、そして9月から現在が活発だ。

 

現在はまだ活発期なのだが、お金がない。意図的にひきこもり期に入るしかない。

 

遠出が好きだし、歩くのも好きだ。ただこれは、心身の均衡を保つためにやむを得ずしている面もある。僕は家にいると不安症状が出やすいのだ。だから出かける。とはいえ、近所なんぞは飽き飽きしていて、歩いたところで気は晴れない。それで遠い街へ出かけて歩くのだ。

 

僕はほとんど働けない。「勤める」ということがダメで、「職場」という空間に人といることが辛くて仕方がない。閉じ込められている感じがして耐えられないのだ。結局心も体も壊して、現在は一人でできるポスティングをやっている。これしかできないという消極的な選択だ。

 

月に1.5万しか稼げない。来月など諸事情により1万しか入らない。電車やバスで遠くの街へ出かけることは、当面控えねばならない。

 

我が家は裕福ではない。むしろ貧しい方だろう。それでも母に「お金を貸して」と言えば、3000円なり5000円なり、くれる。けれども無心を頻繁にするのは心苦しい。ろくに働かないことに対して「親に申し訳ないと思わないのか」なんて説教をされれば「別に……」と思うが、しょっちゅう金をせびるのは気が引ける。

 

僕の住む街は新所沢。パルコはあるし、映画館もある。ファストフードもファミレスもカラオケもネットカフェもある。また市内随一の繁華街である所沢プロペ通りまでは、自転車で約15分。ここまで行けばゲームセンターも2軒ある。アニメイトもある。

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(新所沢パルコ)

 

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(所沢プロペ通り)

 

しかし所詮はベッドタウン。プロペ通りなど300メートルしかない。4分歩けば出口だ。どうしても物足りない。

 

僕は電車に乗るのが好きだ。長く乗っているだけで、気が紛れる。乗り降りする乗客を見ているだけで楽しい。ただ、長く乗ればそれだけ運賃がかさむ。大回り乗車なら一駅分の運賃で日がな楽しめるが、そう頻繁にやりたいものでもない。何度もやっているが、下車できないのは辛いものだ。

 

お金を一切使わないとなると、家から3キロぐらいの範囲で楽しむしかない。徒歩と自転車しかないのだから。ロードバイクで何十キロも走破する人がいるが、僕は体力がないし、ママチャリしか持っていないので無理だ。

 

週に1~2回だけ、土日祝日を狙って池袋か新宿にくり出すことを考えている。安い回数券が手に入るからだ。例えば新宿大ガード近くの金券ショップでは、西武新宿~新所沢間の切符が275円で買える。通常運賃は370円だから95円も安い。往復740円かかるところが550円で済む。190円の得だ。

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(店頭に張り出された価格表。こんなにも安くなる) 

 

一方、池袋の金券ショップは割引率が低めだ。それでも290円の切符が手に入る。通常運賃は340円なので50円引き。往復で580円だ。

 

一番お金がかからないのは、交通機関を使わず、ずっと近所で過ごすことだ。だがそれでは鬱々とした日々を過ごすことになる。僕のように遠出すると心が晴れる人間には苦しい。週に1度、都内の繁華街を堪能することでガス抜きをし、あとは近所でおとなしく暮らす。これでしばらく乗り切ろうと思う。働けないんだから仕方ない。


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何とか生きている

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この先、どう生きていったらいいのだろう。32歳で月収1万5000円。実家ぐらしで、家には一銭も入れず、親に養われている。親は60代半ば。まだ働いている。

 

実家は分譲マンションで、築年数は約20年。マンションは30~40年で建て替えになることも多いという。あと20年ぐらいで退去することになるかもしれない。

 

その頃、両親は80代半ば。生きているかどうか微妙だ。一方、僕は50代。生きている可能性は高い。50代まで実家ぐらしで、そこから初めての一人ぐらしというのは大変だ。

 

だから、なるべく若いうちに実家から出ておきたい。早くしないと親の介護問題も出てくる。実家ぐらしを続けていたら、付きっきりで面倒を見ることになる。それは避けたい。

 

一人ぐらしには、お金が必要だ。小屋ぐらしの高村友也さんは月2万、隠居の大原扁理さんは月7万で暮らしているという。

自作の小屋で暮らそう: Bライフの愉しみ (ちくま文庫)

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年収90万円で東京ハッピーライフ

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こういう例があるのは心強い。でもこれはユニークなケースであって、一般的には月に10万でも厳しいと言われる。僕はそんなに稼げない。

 

稼ぐためには忍耐力が必要だ。僕にはそれがない。これまで何度も挫折してきた。心も体も病み、最後にたどり着いたのが、今やっているポスティングだ。そして稼ぎはたったの月1万5000円。

 

よくある「ネットで稼ぐ」というのも無理だった。ネットショップだの、アフィリエイトだの、クラウドソーシングだの、かなりの労力を要する。はっきり言って普通の仕事と変わらない。いや、それ以上に大変かもしれない。成功者は根性のある人で、僕には当てはまらない。

 

しばらくは、いかに低収入だろうと、ポスティングを続けるしかないようだ。これさえ近頃ではやめたくなっているが、無職・無収入よりはマシなので、耐えられるうちは続けたい。

 

家に一銭も入れていないので、1万5000円はすべて自分のために使っている。通信費・ニコニコ動画・はてなブログで約4500円。残り約10000円が自由に使えるお金だ。出かけるのが好きなので、支出のほとんどが交通費となっている。いつも水筒と弁当を持参するため、飲食費はかからない。

 

ただ、近頃は体調を崩して病院に通うようになってしまった。仕方がないので親に借りている。月に5000円ぐらいだ。

 

出かけるのをやめて医療費を捻出するのがいいとも思う。でも今の僕は出かけることが生きがいになっている。

 

体調も悪いし、不意に来る不安症状も苦しい。こんな体で、稼ぎもなく、この先何十年も生きるということを考えると、いてもたってもいられなくなる。日常を忘れさせてくれる街まで出かけて精神を解放し、クタクタになるまで歩く。そしてその疲労を利用して寝る。それを毎日くり返す。

 

そうやって、何とか生きている。


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所沢は川越よりも面白い

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所沢。電車で池袋から約20分、新宿から約30分。埼玉県南西部にあり、東京都の多摩地域と接している。戦後は都心のベッドタウンとして発展した。僕はここに17年住んでいる。今回は所沢駅前から西所沢駅に向かって歩く。中心市街地散歩だ。

 

西口を出ると目の前に所沢プロペ商店街。名前の由来は「プロペラ」から。所沢は日本初の飛行場が開設された街であることから、飛行機由来の命名が多い。飛行場跡地の一部が、現在の所沢航空記念公園(航空公園)である。

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この通りは活気がある。チェーン店が目立つ。300メートルほど歩くと出口で、目の前にイオンが見える。かつてはダイエーだった。3階にアニメイトがあることが、二次元好きの僕には嬉しい。

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ここからの道は「ファルマン通り」となる。アンリ・ファルマン号という飛行機が名前の由来。道は下り坂で、間もなく変則的な交差点に出る。ファルマン通り交差点というのが正式名称だが、地元の人は「根岸の交差点」という。交差点にあるお菓子屋「ねぎし」(根岸)に由来する。

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タモリではないが、カーブのある坂というのは歩いていて楽しいものだ。坂の途中には稲荷神社もある。その向かいの路地を入ると「奈美喜屋」という焼きだんご屋があって、とてもおいしい。焼きだんごは所沢の名物である。店主は物静かなおじさんなので、おしゃべりが苦手な僕にも利用しやすい。その道を下っていくと、立派な木の門と蔵が見える。港屋だ。江戸時代からある。

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新選組の土方歳三も来たという。多摩にいた頃に行商で訪れた記録が残っているそうだ。後述する深井醤油にも寄ったとのこと。日野にある「新選組のふるさと歴史館」の学芸員から聞いた。

 

左折すると、何ということもない住宅街に入るが、ここはかつての花街。飛行場の街として栄えた戦前、料亭や置屋が軒を連ねていたという。残念ながら目立った痕跡はない。この界隈については「東京DEEP案内」でも取り上げられた。

所沢の遊郭跡・有楽町(うらまち)界隈を歩く (1) - 東京DEEP案内

(三好亭は残念ながら数年前に取り壊されてしまった。写真付きで紹介されている「バラック建築群」「オンボロ木造商店」「古い料亭風の建物」も既にない)

 

この通りの終わりにある寺が薬王寺。新田義貞の三男・義宗終焉の地という伝説が残っている。背後に上り坂が控えており、墓地が広がる。

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 (手前が薬王寺の墓地)

 

その隣りにあるのが前述した深井醤油。立派な蔵が2つ並んでいる。かつてテレビ番組「ちい散歩」で所沢を散歩した地井武男さんは、この蔵をスケッチしていた。

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ここでファルマン通り交差点に戻る。秋田家という古民家があり、国登録有形文化財に指定されている。所沢には新興住宅地のイメージがあるかもしれないが、実際は中世からの宿場町。古い建物は多い。この通りも、かつては川越のように蔵が連なっていたという。

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 (秋田家を路地側から撮影。波打つ塀が面白い)

 

その景観は、ほんの数十年前までは残っていた。スタジオジブリの宮崎駿監督は市内在住だが、彼が引っ越してきた1960年代には、まるで時代劇のような街並みが残っていたと述べている。川越よりも面白いと感じたそうだ。

宮崎駿監督インタビュー「半径300メートルへの所懐」

(※インターネットアーカイブ)

 

この通りは「銀座通り」という。かつては街の中心、今はタワーマンションが何棟も並んでいる。古い街を壊して建てたため批判も多いが、おかげで広い歩道がつくられ、歩きやすくなったのも事実だ。

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所沢と川越はお互い接していて、人口も同程度ゆえに何かと比べられる。川越は今でこそ観光地として賑わっているが、1980年代までは景観を気にすることがなく、蔵造り通りも寂れていた。その状況からアーケードの撤去や電柱の地中化などを始め、今のような一大観光地として生まれ変わったのだ。そのあたりの経緯は下記のサイトに詳しく書かれている。

https://www.homes.co.jp/cont/press/buy/buy_00416/

 

それに対して所沢は、古い建物を壊してタワーマンションを建てていくばかり。否定的に語られることが多い。しかし正解はないと思う。住民の中には、観光客が多いことを「活気がある」と喜ぶ人もいれば、鬱陶しいと感じる人もいる。僕自身は、今の状態でもそう悪くはないと思っている。

 

元町交差点の手前に建つ中央公民館で休憩。この建物の前には整備された広い空間がある。元町コミュニティ広場という。公民館が新設される際にセットで設けられた。街の中心地に広場があるのは、とても良いことだと思う。様々なイベントがここで行われる。

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広場の東側の道を北へ進むと所澤神明社がある。町の総鎮守である。木々が鬱蒼と茂っており、僕の大好きな空間だ。

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この近くは寺社が点在していて、先述した薬王寺もすぐそば。その他、新光寺、実蔵院といった寺がある。

 

特に実蔵院が面白い。薬王寺と同様に、本堂の裏は上り坂で、墓地が広がっている。一番高いところに立つと、眼下の道はだいぶ下にあるのに、その向こうの家は目よりも高い位置に建っている。この道は切り通しなのだ。そしてこれが鎌倉街道である。

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(実蔵院墓地より撮影。眼下の道が鎌倉街道)

 

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 (鎌倉街道を別角度で撮影。左が実蔵院墓地。撮影時期が違うため、右の土地が更地になっている)

 

元町交差点に戻る。ここから金山町交差点にかけては、古い建物が多く残る。少し手を加えれば、レトロな通りとして売り出せそうな気もする。所沢に歴史がないと感じる人は金山町商店街へ。

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商店街を抜けると金山町交差点だ。500メートル先に西所沢駅がある。西武狭山線に乗って西武球場前駅まで2駅。西武ドーム、狭山湖、トトロの森、西武園ゆうえんちなど、狭山丘陵で市内観光の続きをしてもいい。丘陵は、所沢にあって川越にはないものだ。


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西武新宿線ファン、JR中央線に挑む

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「西武線沿線には住みたくない。駅も行き先もよくわからないし沿線もパッとしない。中央線が一番だ」

 

先日こんな内容のツイートが目に入り、腹が立った。西武線ファンの僕は言い返さずにはいられない。

 

ツイートしたのは中央線在住の人だった。所用で西武線に乗ったところ、上記のような感想を持ったそうだ。「よそに行ってきたけど、やっぱり自分の住む街が一番」というのは健全な感情で、非難されるものではない。

 

だが「住みたくない」とは口が悪い。その「住みたくない」と言われた沿線の住人がどう思うか考えてほしいものだ。加えて、西武線は中央線に比べて格下と認識されている。お金持ちが庶民の街に来て「やあねえ」とのたまっている感じさえ受けた。

 

僕は西武沿線に計26年住んでいる。すべて西武新宿線だ。6歳までは鷺ノ宮で育ち、小学校6年間は地方で暮らしたが、中学入学時に南大塚(本川越の次の駅)に戻ってきた。そして高校入学前に新所沢に移って今に至る。西武新宿線は、中央線にも負けない魅力を持っていると信じている。

 

西武線には西武池袋線や西武拝島線など、複数の路線があるが、今回の記事では特に西武新宿線にしぼって魅力を伝えたい。

 

***

 

まず起点の西武新宿駅が素晴らしい。何がいいと言って、帰宅時に確実に座れることだ。JRの他、京王や小田急など複数の路線が乗り入れる新宿駅から400~500メートルほど離れているという不便さが、このようなメリットを生んだ。各駅停車なら帰宅ラッシュ時でさえも空席がある。この魅力については以前も書いた。

 

西武新宿線の混雑は、首都圏の路線の中では穏やかな方だ。対して中央線は激しい混雑で知られる。引っ越しを検討中の方は、乗り比べてみるといい。

 

次に路線全体に目を向ける。西武新宿線は中央線の北側を並行して走っている(西武新宿~花小金井間)。もうその時点で魅力的だ。

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(Googleマップを使用。着色と路線名は筆者)

 

中央線沿線民に「住みたくない」と言われて憤っておきながら、中央線に近いことが魅力と述べる。白旗を上げているようなものではないか。

 

しかしそうではない。中央線は便利で駅前も発展している。西武新宿線はこの点で劣っている。でもだからこそ家賃が安くなるのだ。加えて、喧騒から距離を置いていると考えれば長所にもなる。

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西武新宿線では花小金井駅まで、中央線では武蔵小金井駅まで、両線は1.5キロから3キロ程度の距離のまま並行して走っている。駅と駅の間に住めば、2路線使えるわけだ。「地方出身で、大きな街は気後れする」という人に、西武新宿線は優しい。

 

たとえば、西武新宿線には新井薬師前という駅がある。JR中野駅と約1.5キロしか離れていない。歩いても20分ほどだ。新井薬師前は小さな商店が連なる昔ながらの街であるのに対し、中野駅は大型商業施設が複数あるような街だ。両駅の間はずっと商店街が続いているので、歩いていても飽きない。

 

なお、武蔵小金井の次の駅・国分寺は西武線とJR中央線の接続駅になっている(ただし西武新宿線ではなく、西武国分寺線・西武多摩湖線)。

 

***

 

「駅がわかりづらい」ということについては、認めざるを得ないところがある。上井草駅の、上りホームと下りホームが跨線橋で繋がっていない駅舎などは、確かにわかりにくい。中井駅での都営大江戸線への地上乗り換えも面倒だ。

 

無理やり擁護するなら「それも一興」といったところか。中井での地上乗り換えは、おかげで商店街を楽しむことができる。駅の横を流れる妙正寺川によって、束の間ながら自然と触れ合える。

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(妙正寺川。右に中井駅構内の電光掲示板が見える)

 

「行き先がわかりづらい」というのは完全に「慣れ」の問題だ。中央線だって、青梅行きと高尾行きがあったり、豊田止まりがあったり、各駅が三鷹までだったりするのは、わかりづらい。でもこんなものは、すぐに何でもなくなる。

 

***

 

西武線と中央線は、埼玉と東京の関係のようだ。埼玉の魅力として、県民がよく挙げるのが「東京に近い」ということ。「それなら東京に住めばいいじゃないか」と言えば「東京は家賃が高い。ゴミゴミしている。埼玉なら安くて広々している」と返す。「東京」を「中央線」、「埼玉」を「西武線」に置き換えれば、僕がこの記事で言っていることと重なる。

 

ただし西武新宿線の半分以上は東京都を走っている。中央線と並行して走る区間はすべて東京都だ。また西武新宿線でも、23区内の街は、やっぱり狭苦しい。ただ車内が比較的空いていて、駅前の人混みが穏やかな分、心の余裕は持ちやすいように思う。

 

東京が好きだけど、安さと広さも欲しい。そんな人には西武新宿線を勧めたい。

 

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【参考にしたサイト】

両線の距離や家賃が具体的に紹介されていて、とても良い記事だと感じた。


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都バスから眺める渋谷・新宿・池袋

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都バス旅の第2弾。第1弾は練馬車庫から葛西駅までだったが、今回は池袋~渋谷間だ。

 

スタートは高田馬場駅。「学02」(早大正門行き)に乗車する。このバスは「学バス」と呼ばれ、運賃が通常より30円ほど安い。学生支援のために安いのだが、一般の乗客にも適用される。都営バスの学バスは他に5系統ある。

 

早稲田通りを直進する。しばらくは繁華街だ。学生街ということで、安い食べ物屋が多い。1か月ほど通勤したことがあり、何軒か寄ったが、少食の僕にはどこも量が多くて参った。また夏ということで、冷房の強い店が多かった。

 

ほどなく右に早稲田松竹が見える。いわゆる名画座で、1度入場すれば1日中いられる昔ながらのシステムを採用している。大学時代に「映画をたくさん観よう」と企てて挫折したことを思い出した。3~4回は通っただろうか。いつも2本立てだから8本ぐらい観たはずだが、どれも大して面白くなく、映画通になることはできなかった。

 

馬場口交差点を過ぎたあたりからは、古書店が点在している。風花舞う12月に、一軒一軒回った思い出がある。最後に入った店の戸は、ガタピシ鳴る昔ながらのガラス戸だった。ゆっくりと手で引いて入ると、古本と石油ストーブの匂い。心安らいだものだった。

 

そんな思い出に浸っているうちに、バスは終点の早大正門に着いた。あっという間だ。何しろ2キロしかない。

 

次に乗る「早81」(渋谷駅東口行き)の発車まで時間があったので、周辺をぶらつく。まず目に入るのが大隈記念講堂だ。西洋に来たような気分に浸れて良い。

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続いて門前の商店街へ。ゆるやかに蛇行しながら上っていく小道に、店が連なっている。車もほとんど通らず、僕の好みに合っていた。

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そうこうしている間に発車時刻が来た。いざ渋谷駅へ。この「早81」は起伏と右左折が多い、バスファンには知られた路線。僕は泉麻人の『大東京バス案内』で読んでから、乗ってみたいと思っていた。

大東京バス案内(ガイド) (講談社文庫)

大東京バス案内(ガイド) (講談社文庫)

 

 

実際に乗ってみたところ、評判に違わぬ、実にダイナミックな路線だった。本当に上っては曲がり、下りて曲がり、と紆余曲折。特に千駄ヶ谷駅前の左折と上り坂のコンボには思わず「おぉっ」と声が出た。東京の地形を体感できる良路線だ(「早81」や「学02」といった系統番号で動画検索をすると、該当する路線の車載動画がヒットする。興味のある方は観てみると良い)。

 

さて、渋谷駅に着いた。ここはいつも人が多い。駅前のスクランブル交差点の人混みは「ウジャウジャ」という言葉がピッタリだ(画像参照)。こりゃあダメだ、宮下公園で一息つこう。そう思って向かったが工事中だった。渋谷は坂の街だから歩きづらいが、だからこそ面白いとも言える。

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ひとしきり散策をしたところで、先ほどと同じ渋谷駅東口バス停から「池86」に乗車。この路線は池袋駅まで一直線だ。「早81」と違い、ほとんど直進なので特に面白くない。またコースが東京メトロ副都心線と重なっているので、存在意義もあまり感じられない。

 

しかし、手っ取り早く渋谷・新宿・池袋を見比べるには適している。たとえば夜に乗ると、街の光量が違うことに気付く。渋谷・新宿に比べて池袋は暗い。そう書くとダメなようだが、明るすぎるのが苦手な人もいるだろう。夜は少し暗いぐらいがいい、と。

 

少なくとも、明るすぎる渋谷と新宿で疲れた僕には、池袋の薄暗さが好ましく感じられた。


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都バスを乗り継いで、夜の23区を横断する

深夜、どうにも寝付けないのでラジオをつけた。男性が都バスの魅力を語っている。都バスは23区内を縦横無尽に走っている、都バスに乗ると東京が見えてくる、1日乗車券は500円で買える……。

 

都内各地を見て回りたい僕にとって、とてもありがたい情報だった。なお、声の主は社会学者の古市憲寿氏だった。氏は子供の頃から都バスに乗るのが好きで、先頃『大田舎・東京 都バスから見つけた日本』という本を著した(僕はまだ読んでいない。1か月前に市立図書館で予約したが、まだ順番が回ってこない)。

大田舎・東京 都バスから見つけた日本

大田舎・東京 都バスから見つけた日本

 

 

*** 

 

数日後の夜、都バス乗り継ぎの旅へと出た。スタートは練馬車庫。西武池袋線・桜台駅から徒歩数分のところにある。併設の営業所で1日乗車券を購入。夜7時頃だったので「え、今日を使うんですか?」と驚かれた。

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「白61」の始発に乗った。目標は23区横断&往復だ。この路線は、ひらがなの「つ」の字のようなコース。練馬駅・練馬車庫から新宿駅西口に向かう。

 

僕は途中の江戸川橋で下車。直前の長い坂が印象的だった。ホテル椿山荘東京がある高台(目白台)から曲線を描いて、低地(音羽谷)へと下っていく。

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(音羽谷から目白台を望む)

 

次いで「上58」に乗車し、上野広小路へ。上野は大都会で、ウキウキした。しかし一歩路地へ入るや、いかがわしいお店が軒を連ね、客引きの男どもがたくさん突っ立っている。散策はやめてさっさと次のバスに乗った。

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(大都会・上野) 

 

「都02」で錦糸町へ。この路線は途中で隅田川を渡る。ワクワクしながら車窓を眺めていたのだが、橋(厩橋)が工事中で、右も左もシートでおおわれており、何も見えなかった。

 

錦糸町駅前はきれいで驚いた。パチンコ屋が多い雑然とした街を想像していたのだが、実際は大型商業施設が何軒もあり、大きな公園が整備されている。

 

これまた立派なバスターミナルで列に並ぶ。目の前に女子高生がふたり。かなりのミニスカートでお化粧バッチリ。今度は錦糸町のイメージと合っているように思えた。

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(錦糸町駅前。立派なバスターミナルと大きな商業施設) 

 

「錦25」に乗って葛西駅へ。バスは荒川を渡る。橋の上から見える夜景が美しかった。

 

到着後、時刻表を見る。夜10時を過ぎ、ほとんどの遠距離路線は運行を終了していた。もう23区西部までは帰れそうにない。どうしたものか……。

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(葛西駅前のバスターミナル)

 

とりあえず、目の前に来た「葛西24」に乗った。行き先は船堀駅。

 

ここでもやはりバスはなかった。ところがスマホで調べてみると、都営新宿線で住吉駅まで行けば「東22」と「都02」を乗り継いで大塚駅まで帰れる可能性があることがわかった。

 

電車のドアが開くや否や、早歩きでバス停に向かう。逆転ホームランなるか。しかし信号に阻まれる。目の前をバスが通過。やんぬるかな、終バスだった。天を仰ぐ。

 

肩を落として再び住吉駅へ。電車で帰路についた。

 

敗因はひとつ。始める時間が遅すぎたのだ。次は早い時間から始めたい。


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街歩きは最高の娯楽

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現在、週2でポスティングの仕事をしている。月収は1万5000円ほどだ。家には一銭も入れていないため、お金で困ることはない。

 

去年までは月に3万円ほど親に渡していた。大学卒業後、父親に命じられたからだ。ところがある日、母から「そんなことはしなくていい」と言われた。父の浪費が判明したからということだった。ずっと払いたくないと思っていたので、喜んで従った。以降は一円たりとも渡していない。

 

欲しいものは、あまりない。近頃の趣味はもっぱら歩き回ることだ。出かけること自体が遊びになっている。旅好きに近い。

 

でも、外泊はしたくない。そこが本当の旅好きとは違うところだろう。宿泊は、お金がかかりすぎて嫌なのだ。日帰りで行ける範囲で楽しいのだから、わざわざ無駄にお金をかけることもない。僕は埼玉在住だから、せいぜい関東に隣接する県が限度になるが、それで構わない。

 

もちろん、お金が十分にあれば、北海道にも沖縄にも行ってみたい。海外への憧れもある。でも、お金はないのだ。だから行かない。

 

東京を歩くだけで、かなり楽しめる。都内のだいたいの場所へは、500~600円で行ける。往復でも1000円強だ。これなら月に10回行っても1万円。コスパがいい。

 

***

 

ひとりで歩いていると、様々なことが頭に浮かぶ。それは毎回違う。だから同じ場所を何度歩いても飽きない。景色には飽きていても、頭に浮かぶ内容は毎回違うから楽しめる。

 

そうは言っても、さすがに家の近所では楽しめない。完全に見飽きているからだ。いくら歩くことでいろいろな内面世界を楽しめるといっても、限度がある。街歩きは生活圏の外である必要がある。

 

行き先は都内の繁華街が多い。先日は新宿を歩いた。今度は池袋に行く予定だ。どちらの街も、もう何十回も通っている。目新しいものはそれほどない。でもそれでいいのだ。

 

僕はいつも関心が自分の内へ内へと向かうため、常時神経が参っている。少しの体調不良で死を思うのはいつものことだ。子供の頃からヒポコンデリー(心気症)で苦しんでいる。

 

そんな僕でも、老若男女・民族・色彩が入り乱れる都内の繁華街に突入すれば、自分を忘れることができる。バートランド・ラッセルは『幸福論』において「幸福になりたければ、関心を自分の外へと向けることだ」と説いた。街歩きをしている時のワクワクした気持ちを思うと、その説は確かであるように思える。

 

体を動かしていると、不安に絡めとられることもない。体調不良のことも忘れられる。僕は歩いていると、生きているという感じがする。幸せはここにあった、と感じる。


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