30代で実家ぐらし、仕事が続かない男の日々

1985年生まれの33歳。働くことが苦痛すぎて耐えられず、無職と短時間労働をくり返しています。日記(note)→https://goo.gl/Jrkznz

無職と会社員の対話


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これは30過ぎても定職に就かず、親のすねをかじって暮らす男と、その友人との対話である。友人は会社に勤めている。

 

***

 

「久しぶりだね。今は何をしてるの?」

「何もしてない」

「ポスティングは?」

「やめた」

「無職か」

「無職だ」

 

「どうして働かないの?」

「働きたくないからだよ」

「働かなければ家も借りられないし、食べられないじゃないか」

「実家にいればいい。食事ももらえる」

 

「親は何も言わないのか」

「言うよ」

「いづらくないのか」

「いづらい」

「だったら家を出たいと思うだろう」

「思う」

 

「それなら、なぜ出ない?」

「出るには金がかかるだろう。僕には金がない」

「働いて稼げばいいじゃないか」

「働きたくないんだよ」

 

「じゃあ、この先もずっとこのままでいいのか」

「この先というのは……」

「40歳、50歳になっても今のままでいいの?」

「そんな先のことはわからない。今働きたくないのだ」

 

「君が50になったら、親御さんは80だ。80の老人と一緒に暮らしたいか?」

「暮らしたくない」

「そんなら働いて、脱出した方がいいじゃないか」

「働きたくないんだよ」

 

「どうしてそう、働きたくないのだ」

「やりたい仕事がない」

「どういう仕事ならやりたいのか」

「どういうものもない」

「それでも働かないと、稼げない。老いた親と同居することになる」

「それはイヤだなあ」

 

「働くのもイヤで、実家暮らしもイヤ。君はどうしたいのだ」

「働かずに実家から出られたら良い」

「誰かに頼めば転がり込ませてくれるんじゃないか」

「実際、うちに来ないかという話はあった」

「いい話じゃないか」

「僕は個室がないとイヤなんだ」

「贅沢なやつだ」

「体質だからどうにもならない」

 

「相部屋に住むぐらいなら、実家のがマシというわけか」

「そうだ」

「だったら実家は割合に快適なんだな」

「苦痛だよ」

「本当に苦痛なら脱出してるよ」

 

***

 

「君はなぜ働いてるの?」

「なぜって、学校を出たら働くものだ」

「どうしてそう思った」

「どうしても何も、それが常識じゃないか」

 

「常識でも、したくないことをするのはイヤじゃないか」

「そりゃイヤだが、自分の自由になる金があるのは良い」

「君は自分の自由になる金がほしくて働いているのか」

「そうだ。欲しいものを買えるし、行きたいところに行ける」

 

「それが目的で働き始めたの?」

「働き始めたのは、そうするのが当たり前と思ったからだ」

「すると働いているうちに、働く理由を見つけたわけだ」

「まあそうだな」

 

「僕も君のようになれるだろうか」

「さあ。人それぞれだ」

「僕もアルバイト経験ならある。お金を得る喜びは知っている。でもその喜びより、働きたくない気持ちが上回ってしまうんだ」

「それはわかる。僕もしょっちゅう辞めたくなる」

 

「どうして辞めずに済んでいるんだ」

「土日に遊ぶことを考えると踏みとどまれるね」

「ライブに行くのが好きだったね」

「そうだ。仕事を辞めたらライブに行けなくなってしまう」

 

「僕は別にライブなんか行きたくないからなあ」

「旅行でもしたらいいじゃないか」

「働いてまでしたいことでもない」

 

「いずれにしろ、今のままでいいとは思わないんだろう?」

「思わない」

「だったら何かするといいよ。1日だけのバイトもあるだろう」

「経験済みだよ。苦痛だからイヤだ」

「苦痛なのは仕方がない。1日働いて、その給料で温泉でも行ってきたらいい」

「特に行きたくもないが……」

「行けば得るものもあるよ」

 

「僕はかつて30万貯めたことがある」

「映画を観たり、アニメグッズを買ったりして消えたんだろう」

「そうだ。旅行なんか行っても、あれと変わらんだろう」

「それはいつの話だ」

「3年前だよ」

 

「今はまた違う感想を持つかもしれない」

「同じかもしれない」

「やってみなきゃわからんよ」

 

「そうか……」

「そうだよ」

 

「じゃあちょっと仕事を探してみるか……」

「それがいい」

 

しかし彼は働き出さなかった。


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